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 受精卵の段階で遺伝子や染色体を調べる「着床前診断」の実施を認めるかどうかの審査を、日本産科婦人科学会が迅速化する。審査が長引き、受けるのをあきらめる患者もいたためだ。

 学会のルールでは、着床前診断の対象は、重い遺伝病があったり、染色体異常で流産を繰り返したりした夫婦やカップルに限られる。診断で異常がなかった受精卵を子宮に戻す。医療機関から申請を受けて学会が一例ずつ審査し、2015年度までの17年間で申請は549件、484件が承認された。

 これまでは医療機関の倫理委員会の許可を受けてから、学会に申請させていた。しかし、学会と施設の倫理委で遺伝病の重篤さの考え方が違うなどして、両者で議論になり、審査が長期化することがあった。

 今後は、施設からの申請に基づいて学会がまず審査し、その考え方を施設側に示したうえで施設の倫理委にかけて、速やかな審査を目指す。また、申請ごとに施設の体制が十分かどうかも審査していたが、施設の認可は5年間の更新制として簡略化する。

 同学会の苛原稔・倫理委員長は「9~12月は施設認定の審査を集中的に進め、来年には認可された施設から症例を受け付けたい」と話す。(福地慶太郎