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 政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)による迂回(うかい)寄付事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた、いずれも日歯連会長だった高木幹正(73)、堤直文(76)の両被告に対する判決公判が27日、東京地裁であった。前田巌裁判長は、高木被告(求刑禁錮2年)と堤被告(同1年6カ月)にそれぞれ禁錮1年6カ月執行猶予3年、団体としての日歯連に求刑通り罰金50万円の有罪判決を言い渡した。

 高木被告側は取材に対し、控訴する意志を示した。

 判決で前田裁判長は「政治資金の収支をガラス張りにすることで政治活動の公正を確保しようとする法の趣旨を軽視した」と批判。「日歯連は組織的かつ巧妙に迂回寄付を行った」と指摘し、両被告は違法性を認識していたと認定した。

 判決によると、高木被告は会長だった2013年の参院選前、会計責任者だった村田憙信(よしのぶ)被告(73)=一審で有罪判決、控訴中=と共謀し、支援を決めていた石井みどり参院議員(自民)の後援会に、同法の上限(5千万円)を超える計9500万円を寄付。これを隠すため、うち5千万円は当時の西村正美参院議員(民主)の後援会に寄付したように装い迂回させ、政治資金収支報告書にうそを記載した。

 また、堤被告も会長だった10年の参院選前に村田被告と共謀し、この選挙で当選した西村氏の後援会に5千万円を寄付したのに、西村氏が代表の民主党の支部に寄付したように装い迂回させ、収支報告書にうそを記載した。

 公判で、高木、堤両被告は「村田被告に任せており、違法とは思わなかった」と無罪を主張していたが、判決は、2人が村田被告から相談を受けるなどしていたことから、「違法な提案を了承して実行に移させた」と認定した。

 日歯連を巡っては04年にも自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件が発覚。当時の連盟会長や元官房長官らが有罪判決を受けた。事件を受け、政治資金規正法が05年に改正され、政治団体間の年間の寄付の上限が5千万円に定められた。

 判決はこの点にも触れ、「高木、堤両被告は、日歯連の不祥事の再発防止について取り組むべき立場にありながら、法令順守をなおざりにし、これをはき違えた。その責任は重い」と指摘した。(杉浦幹治)