安保改定かみ合わぬ議論 米国「島国的姿勢」と拒否も

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藤田直央
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 中国に近づき、ソ連とも緊張を緩める米国とどう向き合うか――。日本外務省は1972年、そんな模索の中で米国に議論を挑んだ。日本国内の基地を使う米軍の活動を狭めようとする提起に、米側は「島国的」とにべもない。議事録や関係者の話から当時のつばぜり合いを振り返った。

 72年6月、かつてペリー艦隊が訪れた伊豆・下田にあるホテル。インガソル駐日米大使や外務省の吉野文六アメリカ局長らが出席した日米政策企画協議が開かれた。

 外務省の深田宏・北米1課長は、こう切り出した。

 「極東条項は日中関係正常化にとり深刻な問題だ」

 米国が日本を守る日米安全保障条約の中で、台湾や朝鮮半島での紛争を念頭に米軍が「極東の安全」のため日本の基地を使える条項に疑問を示したのだ。

 ベトナム戦争で沖縄などの基地を使う一方、頭越しに中国に接近する米国。深田課長の発言は、外務省内の強硬論の表れだった。

 「極東条項の廃止を日本が提案したら、米国の反応はどうか」。こんな日本側の問いに、前月の沖縄返還に向け吉野局長と厳しい交渉をしたスナイダー駐日米公使が反論した。

 「そうした島国的な姿勢が米…

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