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 野球部と同じく、吹奏楽部にとっても夏は勝負の季節。年に一度のコンクールには並々ならぬ思いで臨む。明桜吹奏楽部は昨年、東北大会に4年連続で出場し、銀賞を獲得した。

 「あの忙しい毎日を今やれと言われても、きっと無理」。昨年の副部長で、テューバ担当の小野寺澪(れい)さん(18)はそう振り返る。

 野球部が8年ぶりに秋田大会を制した昨夏。吹奏楽部は、決勝があった7月25日までスタンドで応援演奏をした。その4日後、コンクール県大会で金賞を獲得。8月13日に甲子園で応援演奏すると、同月26日に福島県で行われたコンクール東北大会に出場した。「できないと思うと本当にできない」を合言葉に乗り切った。

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 コンクール県大会の結果発表後、東北大会での演奏順を決める抽選で「1番」を引いた。後に続く演奏の採点基準になりやすく、不利とされる順番だ。午前中の早い時間なので演奏者の頭と体が温まっておらず、本調子も出しづらい。

 そこで翌日から、毎朝5時に起床するルールを決めた。起きたらまず、パートごとに作っているLINEのグループでメッセージを投稿し、きちんと起きているかを互いに確認した。

 「応援でも相手校には負けない」。野球部のためにも手を抜きたくなかった。コンクールを意識し、音量を上げるよりも、音程をそろえた厚いサウンドをスタンドに響かせた。大型の金管楽器スーザフォンに「MEIO」の文字の画用紙を貼って目立たせるなど、工夫も凝らした。

 甲子園へのバスの往復の時間も大切にした。行きの夜行バスでは、5時起きルールを守るため、各自携帯電話でアラームを設定。同乗していた保護者らに迷惑をかけないように、アラームの音量を下げたりバイブにしたりして静かに起こし合った。帰りの車内では全員でスコアを読んだ。

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 部員の多い吹奏楽の強豪校は、コンクール組と野球応援組に分かれることも多い。だが、明桜は両立させた。コンクールだけに集中したいという部員はいなかったのか。

 「むしろみんな応援を楽しみにしていました。クラスメートの野球部員が頑張ってきたのを知っているので」と小野寺さん。「後輩たちにも、野球部が100回記念の年に甲子園に行けるよう、応援で力を与えてほしい。そして、吹奏楽部もコンクールで全国大会に行ってほしい」とエールを送った。(野城千穂)

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