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 85歳男性。5年前から下痢が続いています。以前は1日1回の排便でしたが、便の間隔が次第に短くなり、ガスと一緒に色のない便が出るようになりました。胃カメラや内視鏡検査でも異常はありません。どうすればいいのでしょう。(奈良県・S)

【答える人】藤原靖弘(ふじわら・やすひろ)・大阪市立大教授(消化器内科学)=大阪市阿倍野区

 Q どんな病気が考えられますか。

 A 下痢になる代表的な病気は細菌やウイルスなどによる急性胃腸炎や食中毒です。慢性の下痢の場合、潰瘍(かいよう)性大腸炎やがんが疑われますが、体重減少や発熱などもあり、内視鏡検査などでわかります。検査で異常がなければ、糖尿病や甲状腺機能亢進(こうしん)症、慢性膵炎(すいえん)といった全身性の病気の影響も考えられますが、過敏性腸症候群といった機能的な障害で下痢になっている可能性があります。

 Q 原因はなんですか。

 A 過敏性腸症候群は試験前の学生、重要な会議で発表を控える人など、若年から中年の男性に多いですが、高齢者もなります。ストレスや心理的要因、アレルギーなどが原因と言われています。腸と脳は密接に関わっているので、便の調子が悪いことがさらなる不快感やイライラにつながり、悪循環になっていることも考えられます。また、腸内細菌の状態の乱れも原因の一つと考えられています。

 Q 治療法は。

 A 下痢型の過敏性腸症候群には、下痢止めのほか、セロトニン受容体の拮抗(きっこう)剤が効きます。また、腸内細菌のバランスをよくする薬などもあります。

 Q 日常生活で心がけることはありますか。

 A 脂っこいものや香辛料を控えることです。また、海外の研究によると、タマネギ、小麦、大豆のほか、リンゴやマンゴーといった果物、牛乳やチーズなどの乳製品を控える「低FODMAP療法」が、過敏性腸症候群に有効だというデータがあります。ほかには、禁酒や禁煙もしたほうがいいです。十分な睡眠や休養も必要です。

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