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 子どもの「野球ひじ」を防ごうと、筑波大の研究者たちが「MRI検診車」の開発に挑んでいる。このほど、試作機が完成。いよいよ車に載せ、球児らが集まるグラウンドなどへ出向き、試験的にデータを集める構想の実現に近づいた。ただ、資金が不足しているといい、9日からクラウドファンディングで資金調達を始める。

 野球ひじは、繰り返しボールを投げることでひじに過剰な負担がかかることが一因。ひどくなると野球を続けられなくなったり、将来、日常生活に影響したりすることもある。早く見つけて対処することが重要という。触診や超音波を使って早期発見をめざす取り組みも一部で始まっている。

 筑波大病院放射線科の岡本嘉一医師(画像診断学)は5年前から、ひじに痛みの自覚がない、のべ700人ほどの球児らに、MRIで検診してきた。野球ひじにはいくつか種類があるが、岡本さんによると、超音波による検診では分からないタイプの野球ひじが、MRIで発見できる可能性があることが分かってきたという。

 一方、MRIは検査費が高額で、通常は検診に使われない。また、装置が大きく、病院まで足を運んでもらう必要がある。そこで、筑波大の工学系の研究室と協力し、外へ持ち出せる「機動性」を備えた検診車の構想に至ったという。

 研究では、野外でもきちんとデータがとれるかを試し、実用化をめざす。野球ひじだけでなく、テニスやサッカーでの手足のけがも対象にする。岡本さんは「完成すれば全国で検診し、子どもたちのけがの早期発見に向けた取り組みを本格化させたい」と話している。

 クラウドファンディングの大手サイト「レディーフォー」のホームページ(https://readyfor.jp/projects/yokamoto別ウインドウで開きます)から申し込める。目標額は70万円。5万円以上の寄付をした人には検診に参加できる特典がある。(合田禄)