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 低所得世帯の高校生を対象に、通学用品や修学旅行費などが支給される「奨学給付金」に申請漏れが多くあることがわかり、文部科学省は制度案内のリーフレットを作成した。4年前から始まった制度だが、周知不足もあり、申請漏れは私立高校生だけでも推計約2万人。国公立高校生の対象者数はわからず、申請漏れはさらに多いとみられる。

 高校生の奨学給付金は、生活保護や住民税が非課税の低所得世帯に対して、授業料以外の教育費を支援する返済不要の制度で、2014年度から始まった。支給対象は7月1日時点の課税状況で決まる。一部の都道府県では、すでに今年度の申請の受け付けを始めている。

 非課税世帯の全日制に通う第1子は、国公立で年約8万1千円、私立で年約9万円が支給される。15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合、国公立が年約13万円、私立が約14万円だ。通信制では3万円台となる。

 16年度は、国公立の高校生約31万人(8・7%)、私立高校生約13万人(3・8%)が受給した。

 文科省が私立高校の授業料を補助する就学支援金の受給者を調べたところ、約15万人が非課税世帯に該当していた。このことから、約2万人が申請すれば受け取れる奨学給付金を受け取っていないと推計する。国公立高校では、非課税世帯かどうかのチェックができず、申請漏れの生徒数が多数いるとみられる。

 文科省は今年度初めて、奨学給付金と就学支援金を同時に案内するリーフレットを作成し、同省のサイトに掲載。2日に都道府県に配布した。国公私立別のリーフレットには、受給するには保護者が住む都道府県に申請する必要がある、と明記したうえで、問い合わせ先の一覧を載せている。

 栃木県のシングルマザーの女性(48)は4年前、当時住んでいた埼玉県内の私立高校に次女(20)が入学。学校から案内があり、奨学給付金を1年間受け取った。女性は翌年、仕事の都合で栃木県に転居し、次女は東京にある私立の通信高校に転校した。だが、この時は学校からの案内がなく、生活が急変する中で、制度を忘れていた。その後、受給の申請をしたが、1年分は受け取ることができなかったという。

 「本当に悔しい。年1回の児童扶養手当の確認のときに案内するなど、行政と学校が周知を徹底してほしい」と話す。

 奨学給付金の詳細は、文科省のサイトhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1344089.htm別ウインドウで開きますで。(杉原里美)