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 米空母艦載機の発着訓練(FCLP)の移転先候補である馬毛(まげ)島(鹿児島県)を所有するタストン・エアポート社(東京都)が、債権者から破産開始を申し立てられ、東京地裁から15日付で保全管理命令を受けた。国は移転候補地として同社から島を買い取る計画で、今後の交渉に影響が出そうだ。

 馬毛島は種子島の西約12キロにある約8平方キロの無人島。米軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への空母艦載機部隊の移駐に伴い、硫黄島(東京都)で行われている空母艦載機の発着訓練の代替地として、2011年の日米の合意文書に明記された。

 島の99%の土地を同社が1社で所有しており、交渉しやすいことも移転先に選ばれた理由とされたが、同社と価格で折り合わず、交渉は事実上ストップしている。このまま破産手続きに進めば複数の債権者が土地所有者となり、交渉がさらに難航する可能性もある。ただ、米軍は早期の移転を求め続けており、防衛省幹部は「馬毛島以外の選択肢はない。状況を注視する」(防衛省幹部)としている。

 帝国データバンクによると、負債は16年10月期末で約240億2800万円。タストン社は取材に対し「申し立ては不当で、却下するべきだ。経営に問題はない」としている。(古城博隆)