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 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が4日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は運転差し止めを命じた一審・福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。

 訴えていたのは、福井県などの住民183人。

 2014年5月の一審判決は、運転を差し止めるかどうかの判断基準として「東京電力福島第一原発事故のような事態を招く具体的な危険性が万が一でもあるか」を挙げた。そのうえで、安全対策を講じる際に想定する最大の揺れ「基準地震動」を超える地震が05年以降、各地の原発を5回襲った点を重視。「大飯原発の安全技術と設備は脆弱(ぜいじゃく)なものと認めざるを得ない」と地震対策の不備を認定した。

 控訴審では、地震学者の島崎邦彦・元原子力規制委員会委員長代理が住民側の証人として出廷。大飯原発の審査担当だった島崎氏は、現在の計算方法で基準地震動を算定すると、揺れが過小評価になるおそれがあると証言。再稼働に向けた審査は不十分だと訴えた。これに対し、関電側は規制委の見解などを根拠に、計算方法は妥当だと反論していた。

 判決が運転差し止めを命じても、確定しない限り運転は可能。大飯原発3、4号機は一審判決前の13年9月から定期検査で停止していたが、再稼働の条件となる新規制基準に適合すると原子力規制委員会に認められ、3号機が今年3月、4号機が同5月に再稼働した。