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 今季プロ野球・西武の躍進を「富士大出身トリオ」が支えている。4番の山川穂高(26)、内外野を守る俊足巧打の外崎修汰(25)、ここまで8勝(6月29日現在)の右腕・多和田真三郎(25)。3人が富士大時代を過ごした岩手県花巻市を訪ねて、同大野球部OBで現在は監督の豊田圭史(けいし)さん(34)に話を聞いた。

 JR花巻駅から南へ約5キロのところにキャンパスがある。同所には野球場や人工芝が敷かれた多目的練習場、屋内300メートルトラック収容のスポーツセンターなど設備が充実。野球部は外崎が主将だった2014年春から今春までの9季連続で北東北大学野球リーグを制し、全国大会の常連だ。

 山川、外崎、多和田はそれぞれ1学年ずつ違う先輩後輩の間柄。豊田監督はコーチとして、14年からは監督として3人と関わった。

群を抜いていた山川のパワー

 豊田監督に強烈な印象を残したのが山川だ。「入学式の日にあった社会人との練習試合で、あそこに当てたんだよ」。そう言って指をさしたのが、左翼奥にある2階建ての武道館。その屋根を直撃する場外本塁打を放ったという。当時から打撃のパワーは群を抜いていたという。

 山川は1年春から4番を任され、同年秋には北東北大学リーグの打点王に。2年時には日米大学野球選手権の代表にも選ばれ、米ダーラムのスタジアムにある約10メートルのフェンス「ブルー・モンスター」を越える満塁本塁打を放った。その頃からプロのスカウトの注目を集めるようになった。

 「目標を明確に持って、それに向かってやるタイプ。この前のオフに会った時も、『今年はフルで4番で』と言っていた」。言葉通り、山川は今季全試合に4番で出場し、結果を残している。

多和田は1年秋に無安打無得点試合

 投手だった豊田監督が一番接する機会が多かったのが多和田だ。入部してまもない頃、「ドラフト1位でプロにいける投手になれ。そのための4年間にしろ」と声を掛けた。1年秋の明治神宮大会で無安打無得点試合をするなど才能の片鱗(へんりん)を見せていたが、大成させるには技術よりも練習量が大事と考え、練習量重視のトレーニングメニューを課した。期待通りドラフト1位指名でプロに入った。

 監督に就任した年に主将を任せたのが外崎だ。就任1年目で豊田監督自身に余裕がなく、あまり覚えていないというが「色々と任せた。真面目でこちらがあまり言うことはなかった」。富士大は冬場は雪が積もり体作りが基本となる。青森出身の外崎は「元々、体幹が強かった」が、4年間で更に磨きをかけたという。

 卒業生の活躍は励みだ。「大学の先輩としてもうれしいよね。こっちも負けてられない」。後輩たちの吉報を花巻で待っている。(大坂尚子)