斉藤佑介
1995年5月3日。夏のように、暑い日だった。
塚田克明さん(56)は妻と1歳3カ月の長男翔輝(しょうき)ちゃんを連れ、愛知県豊田市の実家に帰省した。
昼過ぎ、父鍵治(かぎじ)さんが翔輝ちゃんを抱き、散歩に出た。
電車でも見せに行ったのか。そんなことを考えていると、隣の神社の方から、鳴り続けるサイレン音が聞こえた。境内へ走った。2人が倒れていた。
腹から血を流した父は孫の方へ手を伸ばし、目を見開いていた。すぐ近くに翔輝ちゃん。少し先で、2人を包丁で刺した50代の男が取り押さえられていた。
塚田さんが病院に着いた時、2人は息絶えていた。処置室を出て、廊下にあった灰皿を、思いっきり蹴り上げた。
同年秋、男の裁判が始まった。だが、すぐに停止された。精神疾患の悪化が理由だった。
事件後、塚田さんは妻と離婚し…
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朝日新聞社会部