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 韓国を代表するリゾート地の済州島(チェジュド)で、中東イエメンからの難民申請者が急増し500人を超えた。「世界最悪の人道危機」と呼ばれる内戦からマレーシアを経由し、済州島まで計1万1千キロを逃れてきた。査証(ビザ)なしで入国できる島限定の制度が背景にあるが、住民とのトラブルが相次ぎ、難民受け入れをめぐる論争も起きている。

 韓国法務省によると、1~5月に現地で難民申請をしたイエメン人は、527人にのぼる。前年は全国で131人だった。

 済州島は観光客らを呼び込もうと2002年、イエメンを含む約200カ国の人々に、30日以内のビザなし滞在を認めた。そこに昨年12月、マレーシアの格安航空会社(LCC)のエアアジアXが、クアラルンプールとの直行便を開いた。イエメンからマレーシアにはビザなしで入国できたため、「イエメン―マレーシア―済州島」のルートができ、渡航者が急増したとみられる。

 所持金が尽きて野宿する人たちが出てきたため、住民とのトラブルも発生。韓国政府は、通常は申請から半年たたないとできない就業を認める特例措置を取り、食堂の従業員や農畜産関係の手伝いなど仕事の紹介も行う。一方、難民申請者がソウルなど島の外に出ることを制限し、6月1日からはイエメンをビザ免除国の対象から外した。

 こうしたなか、6月に入り、難民を申請したイエメン人たちが、通常は8カ月以上かかる審査の短縮や移動の自由を訴え、韓国メディアが社会問題として取り上げ始めた。韓国の世論調査会社リアルメーターが6月21日に発表した世論調査によると、イエメン人を難民として受け入れることへの反対は49・1%と、賛成の39%を上回った。大統領府が公式ウェブサイトに設けている「国民請願」には、難民申請者に最低限の生活保障を定めた難民法について、廃止への賛同者が約56万人に上った。

 済州島には難民審査担当が2人…

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