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 サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会の決勝トーナメントの初戦で2日(日本時間3日午前3時)、日本がぶつかるベルギーは一次リーグを3連勝で突破した。控えめと評されることが多いベルギー国民も、サッカーに熱狂する姿は隠さない。地元メディアの関心の中心は日本より、次に当たる可能性があるブラジルに移っている。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは3位で優勝候補の一角。一次リーグ3試合で計9得点を挙げた代表チームを、地元紙は「史上最強の攻撃的チーム」と評する。

 ベルギーは人口の16%(2017年)が外国生まれで、公用語がフランス語、オランダ語、ドイツ語と三つある多民族国家だ。地域や言語圏、宗教によって分断され、国民の一体感は薄いと言われるが、王室とサッカー代表チームは、国民をつなぐ「かすがい」だといわれる。

 試合がある日にはあちこちの広場でパブリックビューイングが開かれ、小さな子どもから高齢の女性まで代表チームのユニホームを着て応援に駆けつける。国民に人気のビールブランド「ジュピラー」も、無料でビールや応援グッズを配るなど大々的にキャンペーンを展開し、盛り上がりに一役買っている。

 多言語国家である上、海外のチームに所属する選手が多いことなどから、代表チームで主に使われている言葉は英語だという。

 今回の代表の選手はすべてベルギー生まれだが、11人は親がモロッコやマリ、コソボなどからの移民だ。労働力不足解消などの目的で1960年代から移民を多く受け入れてきたベルギーでは、その子である第2世代がサッカー代表を支える。

 予選リーグで出場した2試合でそれぞれ2得点を挙げたルカクは、親がコンゴ民主共和国(旧ザイール)出身。AFP通信の取材に「6歳の時、母親が牛乳を水で薄めるのを見て、どれほど家計が切迫しているか分かった」と貧しかった幼少時代を話している。今や英プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドに所属する。モロッコ系のフェライニなど、他にも多くの移民第2世代が海外の強豪クラブで活躍し、「黄金世代」とも呼ばれている。

 メディアの視線はもう、日本戦の先にあるようだ。ベルギーの主要紙「ルソワール」は「選手が100%のモチベーションで臨めれば、ブラジルは勝てない相手ではない」などとし、日本に勝った場合、次に対戦する可能性があるブラジルに早くも言及している。(ブリュッセル=津阪直樹)

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