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 待ち焦がれた「鳴り物」が、甲子園のスタンドに登場する。南福岡大会で吹奏楽の演奏がなかった沖学園(福岡市博多区)は、大量の助っ人を加えた吹奏楽部が応援することになった。初出場のチームを即席のチアリーダーや応援団とともに盛り上げる。

 学校のホール控室に定番の応援歌が響き渡る。演奏するのは助っ人を加えた吹奏楽部。顧問の井上由香莉教諭がテンポを取った。「本当の速さはこれだよ」。トロンボーンを抱えた助っ人の女子生徒は「速い、速い。無理、無理」。

 吹奏楽部は7人と少ないうえ、木管楽器を使う部員が多いため、球場では演奏しなかった。南福岡大会では野球部員の声の応援歌でカバーしていたが、甲子園ではやっぱり鳴り物がほしい。学内だけでなく、個人的なつてもたどり、助けを募ったところ、経験者や卒業生ら約40人が手を挙げた。

 中学時代に吹奏楽部だった岩井陸鷹(りくおう)君(3年)もその一人。トランペットを担当する。母も同校吹奏楽部出身。「中学のときを思い出して演奏したい」

 本番では「ルパン三世のテーマ」など定番の20曲弱を演奏する予定。一部譜面は井上教諭らが手作りする。音が合わないことも多いが、平岡月菜(るな)部長(同)は「選手に届くよう遠くに音をとばすイメージで吹きたい」と意気込む。

 演奏に花を添えるチアリーダーも急きょ集まった。ダンス経験者の3年生、木藤リサさんと三戸花織さんが中心になり、強豪の女子ゴルフ部にも声をかけ13人を確保。「甲子園に連れてってくれることへの感謝の気持ちで踊りたい」と振り付けの練習に励んでいる。

 応援団も男子バレーボール部の約10人で結成。団長の戸川太陽君は野球部の3年生とずっと同じクラス。「自分のことのようにうれしい。いいプレーがでるように精いっぱい声を出す」と話す。

 野球部副主将の吉田圭吾君(3年)は、にぎやかになる応援が楽しみだ。「決勝でも相手チームの吹奏楽が、めっちゃうらやましかった。甲子園では気分にノリながら打席に入りたい」

 野球部は31日午後、兵庫県内の宿舎に向けて出発する。(角詠之)