7月に各地を襲った西日本豪雨。愛媛県西予市の野村ダムにはかつてない量の水が流れ込んだ。流入量まで放流量を引き上げる異常洪水時防災操作(緊急放流)を控え、直下の野村地区では避難指示(緊急)が発令された。「川があふれる」。消防団が地区の一軒一軒を回り、懸命に避難を呼びかけた。

異常洪水時防災操作(緊急放流)
豪雨時に水をためて下流の水位上昇を抑えていたダムが満水に近づいた時、緊急的に流入する量とほぼ同量の水を放つ操作。ダムの決壊や破損を防ぐ手段だが、急激に川の水位が上がるため、下流の住民らの避難が必要なケースもある。

【7日5:00】

 西予市の野村支所近くの野村公会堂。「野村方面隊」の消防団員80人ほどが招集された。浸水の恐れがある地域を手描きで示した地図には、野村地区の中心部の約900戸が含まれていた。

 隊長が厳しい口調で指示した。「野村ダムが今までにない規模の放流をする。午前6時半に放流するけん、住民に避難を呼びかけろ。電気がつかない家はつくまでドアをたたけ」

 消防団の野村分団第1部長、井上忠明さん(47)が公会堂を出ると、肱(ひじ)川の濁流がうねりを打っていた。「ここに放流すれば、あふれるぞ……」。団員が各戸に避難を呼びかけて回った。

野村ダムと西予市
肱川上流の愛媛県西予市にある「野村ダム」は、県南部のかんきつ農家の水不足を解消するなどの目的で1982年に造られた。1270万トンの水をためられる。西予市は「平成の大合併」により、2004年に旧野村町を含む5町が合併してできた。現在の野村町は旧野村町時代から酪農や畜産が盛ん。かつては養蚕業も栄え、「ミルクとシルクの町」と呼ばれる。

【5:10】

 西予市が避難指示(緊急)を発…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

関連ニュース