[PR]

 9月にオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の芸術監督に就任するマルク・ミンコフスキ氏の指揮によるドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」が30日、金沢市の石川県立音楽堂で上演された。会場はほぼ満席となり、カーテンコールでは熱狂的な「ブラボー!」が飛び交った。

 ミンコフスキ氏の芸術監督就任を記念し、ボルドー国立歌劇場と県立音楽堂が共同制作した。演出は舞台上のオーケストラを挟むようにして、舞台奥と手前にアクティング・エリアが設けられたステージ・オペラ形式。ほぼ舞台装置を置かず、舞台の奥と前面を覆う紗(しゃ)幕に森や城、象徴的な「目」のモチーフといった映像を映すことで物語の情景や登場人物の心情を描き出した。

 ミンコフスキ氏は抑えた棒さばきで、悲劇に向かう終盤の切迫感とのコントラストを表現した。カーテンコールでは楽譜を抱きしめ、キスをする一幕も。終演後の取材には「この難しい作品で、OEKが素晴らしい演奏をしたことに感動している。ボルドーと金沢の橋渡しができて誇りに思う」と語った。

 京都市でカフェ兼劇場を営む高田伸也さん(44)は「ドビュッシーの最高傑作と言われる作品の実演を見ることができて本当にラッキー。今後のOEKのプログラムに大注目ですね」。音楽堂楽友会の中田清栄副代表は「ヨーロッパや東京に行かなくても、金沢でこんなオペラが見られるんだと実感した。これからもやってほしい」と話した。(田中ゑれ奈)