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西日本豪雨1カ月

 《中東英司さん(65)=広島県東広島市八本松飯田1丁目》 7月6日夜、電車が止まって帰宅できなくなった会社の同僚男性(58)を広島市安芸区の自宅まで車で送る途中、土砂崩れに巻き込まれた。

各地に大きな爪痕を残した西日本豪雨では15府県で225人が死亡、11人がなお行方不明となっている。最初に大雨特別警報が出て6日で1カ月。犠牲になった人たちのありし日の姿を、遺族や知人らへの取材をもとにたどった。

 妻の真理子さん(67)は6日午後7時過ぎ、英司さんから「渋滞に巻き込まれた」と電話を受けた。大雨を心配し、「会社の人は近くの旅館に泊まらせて早く戻って」と伝えたが、「送る」と答えた。1時間ほどして電話が通じなくなり、9日になって土砂に埋もれた車内から2人の遺体が見つかった。

 長女が生まれると、自分で入浴させる子煩悩な父親だった。「私のことをいつも気遣ってくれる素朴で優しい人だった」。真理子さんは遺影を見ながら、「長女が結婚したら、孫の面倒を一緒に見たかった」と話した。