[PR]

 残業時間が長く「強制労働省」と皮肉られる厚生労働省が、朝方までかかる答弁作成など国会関連の業務見直しを始めた。作業のベースを紙からICT(情報通信技術)に置き換え効率化をはかる考えだ。「働き方改革」の旗振り役として、今回こそ見直しが進むのか。本気度が問われる。

 厚労省によると2015年の通常国会で、衆参厚労委員会の審議時間は306時間、国会答弁数は3584件。経済産業省(163時間1694件)や農林水産省(150時間1362件)は、厚労省の半分程度だ。国土交通省(108時間864件)は、もっと少ない。7月に公表された国家公務員の各労働組合の調査では、17年の月平均の残業時間は、厚生部門が53時間を超えて1位、労働部門も49時間で2位だった。

 長時間労働となる理由の一つが国会対応だ。厚労委員会の開催が決まると、議員から事前に質問を聞き取る。職員は答弁案を作成して印刷し、上司が手書きで直し、またパソコンで打ち直して再印刷――各上司からOKをもらうため、こうした作業を5回ほど繰り返し、並行して関係資料もそろえるという。

 8議員から計120問ほど受けると、用意する答弁や資料は合計で約千ページに上る。大臣ら幹部用に最低16部印刷し、朝方までふせん付けやクリップ止めに追われる。多くの場合、資料はその日限りで廃棄される。

 この慣習的な作業方法が、省内でICT活用を検討するなかで見直しの対象に。答弁作成や上司とのやりとりをパソコンで行う、厚労相や幹部への説明をタブレットで行う、といった方法を、国会閉会中に試すことを検討するという。このほか、議員からの質問通告が遅くなって夜間に待つ際は、省内で待機する職員数を絞り込むことも検討している。(西村圭史)