拡大する写真・図版 「ゼロ寛容政策は白人優越主義に」といったプラカードを掲げ、トランプ米大統領の移民政策に抗議する人たち=6月30日、ワシントン、ランハム裕子撮影

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 米トランプ政権の移民政策に反対するデモが30日、全米700カ所以上で行われた。移民取り締まりを強化した「ゼロトレランス」(不寛容)政策で引き離された不法移民の親子を助けようと、メキシコ国境の街や取り締まりを担う移民税関捜査局(ICE)の事務所前で、「家族を一緒に」と声を上げた。

 首都ワシントンでは、ホワイトハウスに隣接する広場に約3万人が集結。特設ステージで、不法移民の母親を持つ12歳の少女がスピーチし「仕事に出た母親が彼らに連れ去られるかと考えると夜も眠れないし、勉強もできない」と、涙ながらに訴えた。

 会場でエクアドルの国旗を掲げていたパメラ・ドレンさん(31)は18歳で米国に来て大学院で法律を学ぶ。「この国の自由にあこがれてやってきたが、それが侵されている。家族が一緒にいられる権利に右派も左派もないはずだ」。卒業したら移民支援をする弁護士になるつもりだ。

 ボリビア出身のルイーザ・メルビアさん(63)は自身も5歳の時に母親に連れられて不法移民として入国。その後、米国籍を取り、政府機関で23年働いた。「米国はみんなよそから来た人で成り立っている。こんな残酷なことは見たことがない」と話した。

 トランプ政権は4月から移民取り締まり強化の一環として不寛容政策を開始。不法入国した移民を逮捕後に訴追し、収監することにした。親が収監されると、子は別の施設で保護されるため、2千人以上が親と引き離されている。11月の中間選挙の争点に浮上しており、デモの参加者はトランプ氏を支える共和党候補者を指して「彼らを選挙で追い出せ」と叫んだ。

 ニューヨークのトランプタワー前で抗議の声をあげた画家のカイル・ブルメンサルさん(65)は「小さな子どもがおりに入れられている映像に耐えられなかった。憤りを示すために路上に立つのです」と、怒りに震えながら語った。自身のルーツは東欧系ユダヤ人(アシュケナジム)で、迫害の末に犠牲になった人が少なくないという。「今の時代に誰かが非人間的な扱いをされているのが許せない。放置すれば恐ろしいことになると歴史が示している。この危険を多くの人に呼びかけたい」と語った。(ワシントン=香取啓介、ニューヨーク=金成隆一)

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