しまむら「安さ+トレンド」の次へ リピート狙うPB服
聞き手・藤田さつき
衣料品チェーン「しまむら」北島常好社長
しまむらは、消費者の変化にあわせて、自分たちの姿を大きく変えてきました。1980年代は低価格重視、90~2000年代は安いけれどトレンドも重視、そしていまは多様なニーズへの対応です。
しまむらは、埼玉発祥です。地方で商売するなかで、まず価格で勝負しました。20~40代の主婦が主な客層で普段着や日用品を買う店でしたから、価格にはシビア。1980年代に様々な工夫をして事業モデルを築きました。
POSシステムや一括仕入れ、中間物流を経ずに海外工場から直送する仕組みも作り、配送費や管理費を徹底して抑制。販売管理費は一般的に売り上げの35%程度ですが、うちは20%前半です。
バブルが終わると、デフレになる一方、情報化で流行やファッションの好みが全国で均一になりました。低価格で鍛えた私たちの店が全国展開する土壌は、こんな日本社会の変化にあったと思います。
でも90年代後半に「安いだけじゃダメ」という空気を感じました。そこで力を入れたのがトレンドです。欧米のZARAやトップショップ、渋谷の109を回って流行アイテムを買い、メーカーにサンプルとして渡す。2カ月後に店頭に並ぶスピード感です。
同じ店で買っても他の人とかぶらず、店で選ぶ楽しさも味わってもらうよう、少量多品種化も進めた。うちで見つけたお買い得品をブログなどで紹介する「しまパト(しまむらパトロール)」も人気になりました。買い物の楽しさに加え、それをネット上で誰かと共有して交流するのを楽しんでくれているようです。
ただここ3年で、消費者がま…