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 メキシコで1日、ペニャニエト大統領の任期満了に伴う大統領選挙の投開票があり、野党の新興左派政党「国家再生運動」のアンドレスマヌエル・ロペスオブラドール元メキシコ市長(64)の当選が確実になった。既成政党から新興左派への政権交代だ。12月1日に就任する。任期は6年。

 開票作業は終了していないが、地元紙などの出口調査では同氏が他の候補に20ポイント近い差を付けており、ロペスオブラドール氏が1日深夜、勝利宣言をした。出口調査によると、大統領選と同時に行われた上下院選でも、ロペスオブラドール氏の「国家再生運動」系の候補が過半数を制する可能性が高い。

 ロペスオブラドール氏は、農業などの国内産業の保護などを訴えており、トランプ米大統領が見直しを求めている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉などに影響を与える可能性がある。

 ロペスオブラドール氏はかつてNAFTAからの脱退を主張。今回の選挙戦では「容認」に立場を変えたものの「メキシコに不利な貿易を強いるNAFTA再交渉は次期政権が担うべきだ」と述べていた。

 このため、現政権が進行中のNAFTA再交渉をまとめても、「国家再生運動」系が多数を占めるとみられる議会が承認しない公算が大きい。再交渉は大統領就任後の12月以降に持ち越されるとみられる。

 また、トランプ氏がメキシコ人ら中南米移民を侮辱する発言を繰り返している問題について、ロペスオブラドール氏は現在のペニャニエト政権の対応は弱腰だと批判。「メキシコの主権を尊重した対等な関係を米国に求める」と訴えており、トランプ米政権の対応が注目されている。

 メキシコでは長年、治安や汚職、貧困などが課題となってきた。ロペスオブラドール氏は、こうした問題を解決できなかった既存政党を批判。特に汚職に関わる政治の浄化を訴えた。

 現政権が進めたエネルギー産業への外国資本導入などの構造改革にも反対した。すでに行われた石油売却の契約についても、汚職の可能性を指摘し、見直しを約束している。(メキシコ市=岡田玄)