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 グループ結成以来、活躍し続ける乃木坂46の井上小百合さん(23)。中学校、そして高校での部活動で育み、今も変わらぬ吹奏楽への想いを語ってくれました。

 中学生になったら、絶対に吹奏楽部に入ると決めていました。映画「スウィングガールズ」で、主人公が吹いていたテナーサクソフォンが第一志望。「君はテナー顔だ」という先生のひと声で、無事決まりました。

 練習はとても厳しかった。ブレスがちょっとでも浅くなると、外部講師の先生が「ちょっと走ってこい!」。まるで運動部のようですが、イヤにはならなかったですね。テナーサックスは伴奏がほとんどですけど、みんなの音が集まると音楽になる。だから吹いている時はずっと楽しかったです。

 先輩たちが出場した西関東吹奏楽コンクールが目標でした。2年生からコンクールメンバーになり、秋には演奏を率いるコンサートミストレスに選ばれました。自分もまだまだなのに、周りのことも見なきゃいけない。上手でないとだめというプレッシャーもあって、一番最初に練習に行き、帰るのはいつも最後。でも西関東の切符をつかむことはできませんでした。

 高校も吹奏楽部に入りましたが、音楽の授業もない学校で顧問は英語の先生。厳しかった中学時代とは違って、僕も楽しむから一緒に楽しもうという感じで、よくほめてくれました。コンクールには出なかったけど、野球応援に行ったり、文化祭で演奏したり、別の楽しみがありました。そんな仲間との演奏も、乃木坂46に入って転校することになって、2年生の文化祭が最後になりました。

 最近、お芝居のお仕事をしていると、中学校の時の外部講師の先生の言葉が、ふとよみがえってきます。「ただ音を吹いてるだけじゃ、音楽じゃない」。

 作曲者の感情や、その時見ていた景色が表現できないと音楽にならない。それはお芝居も同じだと気づいてから、せりふがうまく言えるようになりました。

 吹奏楽は自分のがんばりが自分に返ってくるだけではなく、お年寄りの施設や地元のお祭り、学校のイベントと、いろいろなところで演奏を披露して人を楽しませることができるいい部活です。

 だれかを楽しませよう、だれかの笑顔のためにがんばろうという精神、そして部活で身につけた負けず嫌いと根性、どれも今、お仕事に役立っています。

 コンクールを目指すみなさんは大変な時期ですね。自分と向き合わなければいけないことも多い。

 でも、いま一緒にいる仲間と音楽をつくれるということは、実は奇跡に近いことだと思うんです。あとから、どんなにあの時の仲間や先生と合奏したいと思ってもできません。だから、仲間との合奏を楽しむ気持ちも忘れないでほしいと思います。(聞き手・魚住ゆかり)

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 いのうえ・さゆり 1994年、埼玉県出身。2011年、「乃木坂46」1期生として活動開始。以後、多くの曲で選抜メンバーを務める。「乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』」(9月21日~、東京・赤坂ACTシアター)で主役を演じる予定。「らじらー! サンデー」(NHKラジオ第一、偶数週)に出演中。

10月に全国大会

 第66回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は、10月20日に中学校の部、21日に高校の部が名古屋国際会議場で、27日に大学の部、28日に職場・一般の部があましんアルカイックホール(兵庫)で開かれる。

 出場できるのは、地区、府県、支部などの予選大会を通過した計99団体。

 支部大会までは、さまざまな編成の部門が設けられているが、全国大会は大編成部門のみ。最大人数は、中学校が50人、高校と大学が55人、職場・一般が65人と定められているが、それより少ない人数でエントリーすることもできる。