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 原発事故で出た放射性物質がどう拡散するのか、人工知能(AI)を使ってすぐに予測する手法を東京大生産技術研究所のチームが開発した。東京電力福島第一原発事故では、国の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が役に立たなかった。チームは、避難の判断材料にするのは課題があるものの、避難計画作りなどに活用できるのではないかと期待している。

 東大の吉兼隆生・特任講師らが開発したのは、放射性物質の拡散結果をあらかじめ様々な気象条件で計算しておき、AIが拡散方向を即時に判断するシステム。従来の手法では、事故が起きた時点の風向風速をもとにその都度計算する必要があり、時間がかかっていた。AIなら数十秒で結果を出すという。

 ただ、AIも、事故で放出された放射性物質の分量や時期が不明だと、SPEEDIと同じように避難の判断に使うのは難しい。

 芳村圭准教授は「自治体の避難計画作りや住民の心づもりといった、事故に備えた準備に利用できるのではないか」としている。

 研究結果は2日付の科学誌「サイエンティックリポーツ」に掲載された。論文はhttps://www.nature.com/articles/s41598-018-27955-4別ウインドウで開きますで読める。(東山正宜