【動画】中国ネット通販大手・京東集団の無人配達車=福田直之撮影
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 中国のネット通販に最先端技術の波が押し寄せている。無人配達車の導入やドローンを使った運送、ロボットを使った倉庫内の仕分け……。物流過程の全てで自動化が進む。新たに力を入れる実店舗では顔認識で顧客の表情を分析し、おすすめ商品を提案する試みも。リード役は、「中国のアマゾン」と呼ばれる京東(ジンドン)集団だ。

京東集団、ドローンも活用

 北京の北西部にある、中国有数の名門大学・中国人民大学。構内を4輪の付いた箱がのろのろと進む。中国のネット通販サイト「京東商城(JD.com)」を運営する中国最大の小売事業者、京東集団の無人配達車だ。

 GPSやセンサーを頼りに決められた経路を進む。人が近づくと衝突を避けるため止まる。学生寮の前に着くと、商品を注文した人のスマートフォンに通知が行った。寮から出てきた学生が、スマホに表示されたコードを車の側面にある液晶表示に打ち込むと、箱の扉が開き、注文した荷物が出てきた。「とても便利」と学生は満足げだ。

 京東集団は、これまで人力だった学内の集配拠点から顧客への配達を無人化している。現場で30分待機し、再配達も可能だ。6月からは、大学の外でも無人車による配達を始めた。

 物流の自動化を急速に進め、商品の配送スピードを速めて、コストを引き下げている。陝西省などの人が少ない地域では、集配拠点までの配送にドローンを使うことで高速化と効率化を実現。現在、荷物を10トンまで積める新機種を開発中だ。自動運転トラックの研究も進めている。

 上海にある同社の倉庫「アジア1号」では、四角いロボットが床をはい回る。商品を積んだ棚の下に入り、持ち上げては検品する社員のもとに運ぶ。出荷前の荷物を一時的に集める一角は完全に無人だ。「世界にある無人倉庫はみな卸売りの段階。個人向け配達での無人倉庫を実現したのは京東だけ」と広報担当の李曦副総裁は誇る。

SARSの流行、きっかけ

 「大規模セール期間でも、京東の自社販売は90%以上が注文当日か翌日に配達できる」。京東で物流計画を担当する傅兵副総裁は、6月18日の記者発表会でそう強調した。

 中国のネット通販といえば、馬雲(ジャック・マー、53)が率いるアリババ集団が有名だ。だが、外部からの出店で主に構成するアリババと異なり、京東は主に自社で商品を調達して配達する「アマゾンモデル」だ。積極的に投資し、先端技術を生かした配達の速さを実現。偽物を厳しく排除する姿勢から、存在感を高めている。

 京東は、新進気鋭の劉強東会長(44)が1998年6月18日に創業。中国有数のIT拠点、北京・中関村にわずか4平方メートルの店舗を開設し、光ディスクの販売から始めた。

 2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行を見て、外出不要のネット通販に可能性を見いだし、04年にネット販売に移行。07年には物流網の構築を始め、14年には米NASDAQに上場。ネット上でアイドルになった章沢天さんと結婚したことでも有名だ。

 京東はアリババと中国IT業界の覇権を争うIT大手、騰訊(テンセント)と提携しており、決済にはテンセント系のウィーチャットペイを採用する。

 もう一つ、京東の存在感を高めているのが6月18日の創業日を記念した大セールだ。売り上げは年々急伸。アリババが仕掛ける11月11日(独身の日)と半年離れており、大手2社が主導するそれぞれのネットセールが定着しつつある。

競争、リアル店舗でも

 世界最大級の国土面積を持ち、…

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