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 落語家の桂歌丸さんの功績とは――。学者芸人で、若者ら初心者向けの落語会「渋谷らくご」のキュレーターを務めるサンキュータツオさんは「個と組織、二つの面で大きな功績がある」と読み解きます。

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 いま落語界は、落語家は1千人以上、年間1万以上の公演という史上最大の爛熟(らんじゅく)期を迎えています。歌丸師匠はそういう時代を作った一人で、歴史的にも重要な人物です。

 落語家として大きいのは、晩年に三遊亭圓朝の作品に取り組んだこと。(幕末から明治にかけて活躍した)圓朝は連続ものの噺(はなし)をこしらえました。長いうえに人情噺や怪談が多く、笑わせどころが少なくドラマを語るので難しいです。

 歌丸師匠は圓朝ものに挑戦し、「塩原多助一代記」のような立身出世ものをやったり、「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」を定番以外のところまで通しでもやったり、近年の落語家ではすごく珍しかった。あの年になってできるのは、圓朝ものの稽古を続けてきたからです。しかも、お客さんも育っていないとできません。ずっと積み上げてきたんです。

 おおざっぱに言うと、落語協会所属の落語家が古典をしっかり演じる傾向があるのに対し、歌丸師匠が会長を務めた落語芸術協会(芸協)は、新作中心の落語家が多いのが特徴です。自身の最初の師匠だった五代目古今亭今輔も新作の人でしたし、古典の演じ手が周りにいない状況から、芸協で古典落語の礎を築いたと言っていいと思います。

 組織という面では、様々な団体…

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