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 後半追加時間にベルギーが決勝点をあげ、劇的な幕切れを迎えたW杯決勝トーナメント1回戦日本対ベルギー戦を、開催国ロシアの国営メディアは「奇跡」「ドラマ」などの言葉をくり返しながら伝えた。

 試合終了直後の国営テレビの番組では、司会者が冒頭で「今大会で最もドラマチックな試合の一つだ!」と叫んだ。コメンテーターの一人は「ベルギー、日本、ありがとう」。日本の戦いぶりに感想を求められた別のコメンテーターは「こんな日本を予想していなかった。欧州のサッカーになじんだ私がこれまで知らなかった、エキゾチックなサッカーを見せてくれた」と健闘をたたえた。

 戦前は世界ランキング3位のベルギーの勝利を予想する声が圧倒的だったが、中継のアナウンサーは前半、日本を「大会で最も組織されたチーム」と紹介していた。その日本が後半開始早々に先制点をあげると「何という組織的な攻撃だ」と感嘆の声をあげた。そしてMF乾貴士がミドルシュートであげた2点目には「すごい」と絶叫。「(クロアチア主将の)モドリッチみたいじゃないか」と驚いてみせた。

 ベルギーが至近距離からのシュートを連続して外すと、「驚くべきは日本が勝っているだけでなく、ベルギーよりいいプレーをしていることだ」とコメント。「まったく焦りが見えない」と、猛攻に耐えながら冷静にプレーする日本選手をたたえ、FWルカクをマークしたDF吉田麻也がボールをクリアするたび「奇跡だ、ブラボー」などとくり返した。

 前日には地元ロシアが圧倒的に有利とされたスペインをPK戦の末に下した。その試合の興奮を思い出したようだ。ベルギーが同点に追いつくまで、解説者も「(1次リーグで)前回優勝のドイツを倒した韓国に続き、アジアのチームが奇跡を起こしている」と話していた。(モスクワ=喜田尚)