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 千葉県松戸市の市立小3年でベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた同小の元保護者会長、渋谷恭正(しぶややすまさ)被告(47)の裁判員裁判の判決が6日、千葉地裁であった。野原俊郎裁判長は「犯行は卑劣かつ悪質」などとして、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

 判決によると、被告は2017年3月24日、登校中のリンさんを軽乗用車で連れ去り、わいせつな行為をした上で首を圧迫し窒息させて殺害。遺体を同県我孫子市の橋の下に捨てた。

 公判で検察側は、遺体から被告のDNA型が、被告の軽乗用車の床マットなど8カ所からリンさんの血液がそれぞれ採取されたと指摘し、被告が犯人だと主張。弁護側は「DNA型鑑定は捜査機関による捏造(ねつぞう)の可能性がある」と無罪を訴えていた。

 判決は「証拠の採取や鑑定の過程での汚染を疑う事情はない」などとして弁護側の主張を退け、「DNA型鑑定の証拠価値は極めて高い」と指摘。被告が犯人であると認定した。

 その上で「本来、児童を守るべき立場にありながら信頼を裏切り、幼い被害者を狙った。反省の態度も皆無」と被告を厳しく非難。一方、計画性などについては「十分立証されていない」として認めなかった。

 わいせつな動機で1人が殺害された同種の事件の裁判員裁判で「14件中11件が無期懲役(3件は有期懲役)」だったという過去の量刑傾向も挙げ、「死刑の選択がやむを得ないとまでは認められず、無期懲役が相当」と結論づけた。

 このうち、14年に起きた神戸女児殺害事件では、一審の裁判員裁判で死刑判決が出たが、大阪高裁が「公平の観点から死刑を許容しうるとはいえない」として一審判決を破棄して無期懲役とし、検察側が最高裁に上告している。(寺沢知海)