【動画】「拷問に遭わない限り、当局の弁護士は選任しない」などと語る中国の余文生弁護士=セーフガード・ディフェンダーズ提供
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 中国で人権派の弁護士らが一斉に拘束された事件から9日で3年になる。弁護士らへの圧力は続いているが、当局はより巧妙な手法を使い始めている。(北京=延与光貞)

 南部・広西チワン族自治区の南寧。冤罪(えんざい)や宗教迫害などの人権案件を引き受けていた「百挙鳴弁護士事務所」に5月中旬、地元司法局の幹部らが突然やって来て宣告した。

 「事務所はすぐ解散してもらう。今後は百挙鳴という名も使ってはいけない」

 その数日前には、一斉拘束事件で一時拘束され、関係者の弁護もした主任の覃永沛弁護士(48)の資格の剝奪(はくだつ)が通知されていた。覃さんはその場で抗議したが「他の弁護士の移籍先を確保するまでは解散しない」という条件をのませることしかできなかった。

 覃さんは「これ以上戦っても他の弁護士に迷惑をかけるだけだから」とさばさばした表情で話した。人権派を抱えれば当局に目を付けられるため、二十数人の弁護士のうち半数ほどは移籍先が決まらない。

 それでも覃さんはあきらめない。すでに法律顧問会社をつくり、人権派の若手を育てる計画だ。「もっといい仕事ができると思う。弁護士じゃなければ、当局もこれ以上、妨害できないしね」と笑い飛ばした。

 弁護士の資格を奪って活動させなくする手法は昨年から目立つ。香港のNPOや当局の資料によると、同年9月から先月までに少なくとも16人の人権派弁護士が登録を抹消されたり、資格を剝奪されたりした。

 事件で中心人物とされた北京の王宇弁護士を担当した湖南省の文東海弁護士(44)もその一人。5月、資格剝奪の通知を受けた。昨年、共産党が邪教として弾圧する法輪功の事件の裁判で「法廷の秩序を乱し、正常な訴訟活動を著しく妨害した」ためだ。文さんは「裁判官が法律を無視した訴訟指揮をするので抗議したが、それは理由にはならない」と憤る。

 結果が覆らないことは分かっていたが、当局の違法性を正面から訴えたいと、公聴会を要求した。5月下旬に開かれるはずだったが、当日、裁判所前で直前に不審者にからまれてトラブルになった。やむを得ず派出所で事情を説明していたら、公聴会を放棄したとみなされ、6月、取り上げが確定した。

 当局の新たな手法について文さんは「身柄を拘束すれば、国際社会の批判で政府のイメージが悪化することが分かった。資格の問題なら、批判を受けても内政問題だと反論できるからだ」とみる。「こんなやり方が長く続くはずがない。民主、自由、法治という流れは変えられない」

 反撃する弁護士も…

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