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 怪談家・稲川淳二の全国ツアー「怪談ナイト」が14日の宇都宮市を皮切りに全国で始まる。26年連続の怪談ライブ。昨年、古希を迎え、「70代になると脂っ気が抜けて怪談をするにはちょうどいい。ますます絶好調。心に残るように命をかけてやります」と意気込む。

 これまで語った怪談は約450話。各地を訪ね歩き、いろんな人たちに会って「話の破片」を集め、推理をしながら怪談に仕立ててきた。

 「考古学じゃないけど、土器の破片のような感じ。破片が見つかって、何年かすると、また出てきて、つながっていく。集まったものが形になり、破片がないところはこうかなと推理をしていく。だんだん怖い絵が見えてきて……。それが楽しいんですよ」

 今年披露するのは主に「日常の中で起きる話」だ。「山でも海でも、廃虚でもない。非日常的な場所ではなく、普通の日常。これがまたえらく怖いんですよ。『人がいないところには怪談がない』というが、裏を返せば『人がいれば怪談がある』ということ。誰にでもありうることだし、日常がなにかの拍子に変わるから怖いんです」

 ただ、「楽しくなければ怪談じゃない」とも話し、「ジェットコースターみたいに、おっかないけど、みんなでキャーキャー言って『あー怖かった。もう一回乗ってみようか』と。最後は笑えるのがいい。1人でいると怖いから、みんなひっつくんですよ。人をつなげますよね」と魅力を語る。

 45歳の時に始め、すでに四半世紀。第一人者にとって、怪談とは何なのか――。

 「怪談は事件じゃないんです。子どもも大人も、おじいちゃん、おばあちゃんも、みんなが楽しめる空間。表通りにあるようなしゃれた洋菓子屋じゃなく、横丁の薄暗いところにある煮しめたような駄菓子屋みたいな。みんなに思い入れがあり、誰もが嫌いじゃない。日本の昔話のように、心に残っていくものだと思うんです」

 ツアーの詳細はホームページ(http://www.inagawa-kaidan.com/別ウインドウで開きます)。(深松真司)