拡大する写真・図版 ベルギーに敗れ8強入りを逃し、スタンドのサポーターにあいさつする日本の選手たち=2018年7月2日、ロストフナドヌー、長島一浩撮影

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(2日、ベルギー3―2日本 サッカー・ワールドカップ)

 「すぐにシャワーを浴びろ」。試合後のロッカールームに戻った日本代表の西野朗監督は、見かねて声をかけた。

 多くの選手が汗を吸ったユニホームを脱ぎ捨てると、裸のまま立ち尽くしていたという。優勝候補ベルギーを本気で倒しにかかり、すべてを出し切り、そして、燃え尽きていた。

 4日前のポーランド戦で温存した選手6人を先発に戻し、ベストメンバーで挑んだ。後半開始早々のMF原口元気、乾貴士の連続ゴールで、西野監督は「最高の流れをつかんだ」。同時にベルギーの変化を感じた。「本気にさせた」

 相手の猛攻。ひるむことなく、日本の選手たちは体をぶつけ、突破を阻止した。MF柴崎岳は「守り切ろうという意識はなかった」。隙あらば、3点目を狙う攻めの気持ちは、失わなかった。

 それでも、「彼らは化け物だった」とDF長友佑都。2点のリードを追いつかれ、後半49分に決勝ゴールを許す壮絶な逆転負けだった。

 過去2回、決勝トーナメント(T)へ進んだ日本は、いずれもゴールを奪えず1回戦で敗退。主将のMF長谷部誠は「きょうのような戦い方で、日本の方々も代表に誇りを持ってくれたと思う」。失点を恐れて消極的な球回しでブーイングを浴びた先月28日のポーランド戦と違い、試合後は温かい拍手に包まれた。

 ピッチ上に拳をたたきつけながら泣いたのは、W杯初出場のDF昌子源。8強進出を逃した悔しさを隠さなかった25歳の姿が、日本の選手たちの気持ちを代弁していた。もう、グッドルーザー(潔い敗者)では、満足できない。(清水寿之)