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 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反だとして愛知県内の有志による団体が準備を進めている訴訟の原告に、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京都大名誉教授(78)が加わることが分かった。益川さんは取材に「日本を戦争ができる国にしたくない」と参加の理由を語った。

 団体は、憲法学者らの呼び掛けで結成した「安保法制違憲訴訟の会あいち」。自衛隊イラク派遣差し止め訴訟(2004~08年)で弁護団長だった内河恵一弁護士ら3人が共同代表を務める37人態勢の弁護団も整えた。安保関連法で「平和的生存権」などの憲法上の権利を侵害され、精神的苦痛を受けたとして、国に慰謝料を求める国家賠償請求訴訟を、8月上旬に名古屋地裁に起こす。

 原告として参加する人は6月末時点で約170人。現在、京都産業大教授で、名古屋大特別教授も務める益川さんは4月に名古屋の関係者から誘われ、原告になることを「即断」した。市民訴訟に加わるのは初めてという。

 益川さんは1940年、名古屋市生まれ。45年の大空襲で、焼夷(しょうい)弾が名古屋の自宅の屋根を突き破って落下したが不発で、死を免れた。その体験から、戦後は研究の一方で、平和運動にも参加してきた。2015年には安保関連法案の廃案を訴える「反対する学者の会」の発起人となった。

 安保関連法に加え、特定秘密保護法や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法も成立させてきた安倍政権について、益川さんは「戦争ができる国づくりを着実に進めて来た感がある」と論評する。その上で、「憲法9条に自衛隊を明記する『加憲』の提唱に及び、とうとう本丸に切り込んできた。護憲派にとっても正念場だ」と話す。

 「科学者は戦争で何をしたか」…

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