長崎)石木ダム訴訟、9日に判決 利水・治水双方が争点
堀田浩一
長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画する石木ダムをめぐり、用地の明け渡しを拒んでいる地権者らが国を相手取り、事業認定の取り消しを求めた行政訴訟の判決が9日、長崎地裁で言い渡される。裁判では、利水と治水の両面で、ダム建設の必要性が論じ合われてきた。
石木ダムは佐世保市への利水と川棚川流域の治水を目的とした多目的ダム。1975年に建設が決まったが、移転を拒む地権者たちの反対でダム本体の工事は着工できない状態が続いている。県は、補償対象の121世帯のうち8割強から用地取得の同意を得ていた2009年、用地の強制収用が可能になる土地収用法に基づく事業認定を国に申請。13年に国に認定されると、県は手続きを進め、一部の用地を強制収用した。
地権者ら110人は15年、「公共性や必要性が欠けるダムの事業認定は違法」として、提訴。県と佐世保市がダムの必要性の根拠としている佐世保市の水需要の予測が最大の争点となった。
国が事業認定判断の根拠にし…