トランプ米政権が6日、中国からの340億ドル分の輸入品に第1弾の高関税措置を発動する。その根拠としているのが、中国による「知的財産の侵害」だ。米企業からの被害の訴えを反映し、中国に先端技術や軍事で覇権を奪われかねないとの恐れが米政権を突き動かす。これに対し、中国側は強く反発する。
「まるで映画か小説のような話が、証拠に基づいて明らかになった」。米風力発電部品大手「アメリカン・スーパーコンダクター」(AMSC)のダニエル・マクガーン最高経営責任者はそう振り返る。
米ウィスコンシン州の連邦地裁は1月、AMSCからソフトウェアのソースコード情報を盗んだとして、中国国有企業の風力タービン大手「華鋭風電科技集団」に有罪判決を言い渡した。知的財産を巡る米中間の争いとして国内外で注目された裁判。判決は、ソフトウェアの窃盗によるAMSCの損害を8億ドル(約880億円)超と認定。企業価値を10億ドル下落させ、700人の雇用を奪ったとした。
審理の過程では、スパイ映画…