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 徳島県教育委員会と同県埋蔵文化財センターは5日、阿南市の加茂宮ノ前遺跡の発掘調査で竪穴住居跡20カ所が見つかり、うち10カ所から鉄器類や製造のための施設「鍛冶炉(かじろ)」が確認されたと発表した。約2千年前の弥生時代中期末から後期初頭ごろの集落で、国内最古級の鉄器製作の事例とみられるという。14日に調査の成果を発表する現地説明会を開く。

 県教委などによると、鍛冶炉が確認できた竪穴住居跡のうち、最大規模は直径約7メートル。床面には19カ所の赤く焼けた部分があった。鉄器の形状を整えたり仕上げたりするのに使ったとみられる石器類も出土した。製品はヤリガンナや刀子(とうす、ナイフ)など、小型だったとみられる。ガラス玉なども見つかっており、集落として繁栄していた様子がうかがえるという。

 加茂宮ノ前遺跡は2016年度からの調査で、赤色の顔料「水銀朱」関連の遺物も出土。同時代の鍛冶炉は、鳴門市の光勝院寺内遺跡や徳島市の名東遺跡、矢野遺跡でも発見されているが、県南地域では初めてという。

 現地説明会は14日午前10時と午後1時の計2回。数百点の出土品を公開する。周辺に臨時駐車場を設ける。問い合わせは県埋蔵文化財センター(088・672・4545)へ。(中村律)