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 日本を舞台にしたバレエで、1890年にパリ・オペラ座で初演された幻の作品「夢」を、京都バレエ団が復元上演する。当時流行していたジャポニスム(日本趣味)を採り入れた華やかなバレエを、パリ・オペラ座バレエ団スタッフらが初演時の資料を基によみがえらせた。同団のオニール八菜がゲスト出演し、主役を務める。

 村娘ダイタは婚約者タイコがいるのに領主サクマに思いを寄せる。女神イザナミが現れダイタを連れ去り、夢の中でダイタとサクマは結ばれようとするが……。

 巨大な扇形の装置が開いて女神が現れる場面などが評判になったが、その後、再演されなかった。日本バレエ協会の薄井憲二前会長が一昨年、京都バレエ団に振り付けに来たパリ・オペラ座バレエ団のファブリス・ブルジョワに復元を持ちかけた。バレエ資料のコレクターとしても知られた薄井さんは、着物姿のダンサーらと扇形の装置が描かれた上演時のポスターなどから「夢」に引かれ、長く復活を切望していた。

 ブルジョワがオペラ座の資料館で、振りを記した舞踊譜、楽譜、装置や衣装を調べ、マイム(身ぶり)の部分を刈り込んで約45分のバレエ「LE R●(Eに^(曲折アクセント)付き)VE “夢”」に仕上げた。病と闘いながら公演を心待ちにしていた薄井さんは昨年12月、93歳で亡くなった。

 「復元上演を見せて先生に元気になってもらいたかったのに、残念です」と京都バレエ団の有馬えり子代表。「次世代に新たな演目を残したいという先生の思いを受け止め、いい舞台にしたい」

 漁師と村娘の戯れ、侍のすり足歩き、にぎやかな祭りの行列などの稽古が進む。扇形の装置は照明で表現する。「ロマン主義が濃厚で、フランスらしいバレエだなと感じる。間違った日本のイメージは多少修正したが、当時のジャポニスムの雰囲気が味わえるものになっていると思う」

 27日午後6時半、京都市左京区のロームシアター京都。演目は他に「パキータ」第2幕、「ラ・バヤデール」第2幕。前売り1万円~2千円。京都バレエ団(075・701・6026)。(小原篤