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 宙乗りする市川海老蔵の背後から、荒波の白い波頭がのしかかってくる――。歌舞伎座(東京・銀座)の「七月大歌舞伎」(29日まで)で、デジタル映像技術「プロジェクションマッピング」を融合させた舞台が実現した。

 演目は、成田屋とゆかりの深い「源氏物語」。

 プロジェクター7台を駆使し、CG(コンピューターグラフィックス)で作った大和絵風などの映像を紗幕(しゃまく)に立体的に投影。圧巻は龍王役の海老蔵が宙乗りをする場面。その動きに応じて海の荒波の映像がダイナミックに演出されるよう、海老蔵にセンサーを取り付けた。舞台からはみ出し、天井にまで広がる映像の迫力に観客は圧倒された。

 「間口を破壊する勢いで映像を演出する。平安朝にタイムスリップしたかのような世界観を目指した」と海老蔵。「歌舞伎が忘れかけているパッションを取り戻したい一念」と語る。

 映像を手がけた広告・デザイン会社「ワントゥーテン」の澤邊芳明社長は「21世紀の歌舞伎の王道への挑戦。2020年東京五輪・パラリンピックも視野に、海外発信していきたい」。(米原範彦)