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みょうがぼち(2個入り税別241円)

 盛夏に餡(あん)入りの餅なんてのどを通らない、なんていう感覚は岐阜市民にはありません。あるのは夏だけのお楽しみ、「みょうがぼち」に対する特別感。

 岐阜の西濃地域では昔から田植えのときに農家でつくられてきた郷土菓子です。“ぼち”とは餅を意味しますが、じつは皮はモチモチとした、小麦粉の生地。中の餡はそら豆を炊いた、そら豆餡。それをみょうがの葉で巻いて蒸せば、爽やかな葉の香りが移り、独特な夏の味わいに。冷やしても美味(おい)しいのです。

 伝統の味を競う地域の和菓子店のうちの一軒が「末廣屋」。70年ほど前の創業当時から看板商品の「みょうがぼち」は、スーパーでも人気。朝、できたてを届けるため、午前3時からの作業開始は販売期間中(5月末~10月上旬予定)続きます。

 3代目・安藤重広さんが目指すのは創業の味。お客さんも親子三代、「初代がつくるそら豆餡には硬い豆の欠けらがあって、それをなめながら遊んだものだ」という記憶を再現し、餡に粒を残す工夫もしました。

 夏の思い出の味、みょうがぼち。安藤さんにとっても「祖父と向き合うことができる、特別な和菓子」なのだそうです。

採取地

パレマルシェ名鉄岐阜店

(岐阜)

058・213・7791

デジタル余話

 みょうがは夏でも涼しい木陰の植物。私たちが薬味などで食べているのは、そのつぼみですが、みょうがぼちでは、包んで蒸しても破れない強くて幅の広い葉が必要です。末廣屋が契約する農家は、冷涼な本巣市根尾にあり、目にも涼やかなスッとした形と緑鮮やかなフレッシュな葉を育ててくれているのだとか。ただ、「今年はこれからの葉の状態が心配」と、末廣屋の安藤さん。記録的な猛暑の影響がないように願っています。

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 菅原佳己(すがわらよしみ) スーパーマーケット研究家。著書に「日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品」など。

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