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 大手メーカーの社員が、起業家やNPOなどの活動を支援する動きが広がっている。仕事で培った知識や経験を生かしながら、ボランティアで社会貢献する「プロボノ」と呼ばれる活動で、会社が後押しする事例も増えている。会社にとっては、社員が視野を広げることで、新規ビジネスの発案などにつながることも期待している。

 ブラザー工業は2012年、社員が地元の起業家をサポートするプロボノプログラムを始め、これまでにエンジニアなどの19人が参加した。活動は半年間。起業家との打ち合わせなどは原則、平日夜や週末の就業時間外にセットされるが、その期間中に30時間までは就業時間内の活動も認めて後押しする。

 ラベルプリンターのソフトウェア開発などを担当してきた杉村良彦さん(39)は、障害者を支援する事業立ち上げをサポートした。施設でつくられた非常食の缶入りパンを自治体に売り込む際、人口規模などを分析して手助けした。「大企業にない即断即決の経営を経験することができて、視野が広がった」

 同社CSR&コミュニケーション部の岩田俊夫シニア・チーム・マネジャーは「社会のニーズへの感度を高め、多様な価値観に触れることは本人にも会社にもメリットだ」と話す。

 デンソーは16年に支援を開始。エンジニアら24人が地元NPOなど6団体に、業務計画の立て方や書類の書き方などを助言した。「社会課題から新規事業の芽を見つけられる人材を育てたい」(広報)という。

 10年からプロボノに力を入れているNECは、のべ169人が地域課題に取り組む会社やNPOなど計23団体をITコンサルティングなどで支援してきた。日ごろ接点のない部門の社員がチームで活動するため、社内での人脈も広がりやすいという。担当者は「地域の現場を手助けすることで自分たちも学び、仕事に生かせる」と成果を話す。(竹山栄太郎