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 オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(63)ら教団元幹部7人の死刑を執行したことを受け、上川陽子法相が6日午後、法務省で臨時の記者会見をした。上川氏は「慎重にも慎重を重ねた上で、執行を命令した」と語った。

 会見は午後0時45分、法務省19階の会見場で始まった。上川氏は冒頭、海外メディアを含む約100人の報道陣を前に、「本日、7名の死刑を執行しました」と述べた。7人の名前を、判決が確定した時期の順番に読み上げ、坂本弁護士一家殺害事件や地下鉄サリン事件など、各死刑囚が関与した事件の概要を説明した。

 上川氏は「松本(死刑囚)がオウム真理教を設立、拡大し、その妨げとなる者は内外を問わず敵対視し、殺害した」と述べ、「一連の犯行は、過去に例をみない、今後二度と起きてはならない極めて凶悪、重大なもので、我が国のみならず、諸外国を恐怖に陥らせ、社会を震撼(しんかん)させた」と語った。

 その上で、「命を奪われた方や遺族、けがを負った方の恐怖や苦しみ、悲しみは想像を絶する」とし、「裁判の十分な審理を経て死刑が確定した。慎重にも慎重を重ねた上で、執行を命令した」と述べた。

 オウム真理教による一連の事件では教団元幹部13人の死刑が確定している。

 上川氏は質疑応答で、この日の執行対象になった死刑囚の人選や、執行時期を尋ねられ、「個々の死刑執行の判断にかかわることで差し控える」と回答。執行に関する情報公開が十分かとの質問に対しては、「執行の判断について法相の私が発言すること自体が、他の死刑確定者の心情の安定を害する。お答えを差し控えるのは必要なことだ」とした。

 刑事訴訟法は、死刑囚が心神喪失状態にある時は、死刑の執行を停止すると定める。

 上川氏は、松本死刑囚の精神状態について問われ、「個々の判断に関わるので差し控える。専門的見地を踏まえて執行を判断している」と答えた。また、国際的に死刑反対の声が根強い中で7人の死刑を執行したことを問われると、「死刑はそれぞれの国が独自に決定すべきもの。重大な罪を犯した者についてはやむを得ない」と述べた。

 その上で、今後の死刑制度の存廃については「世論の多数は、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えている状況だ。凶悪犯罪を犯した者に死刑を科すことはやむをえない」と話した。

 上川法相によると、法務省が死刑執行について公表を始めた1998年11月以降では、これまでの1日の最多執行は4人で、3回あったという。(根津弥)