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 西日本を中心とする今回の大雨は、梅雨前線が東日本~西日本の上空で数日間ほぼ同じ位置に停滞したことが原因だ。

 梅雨前線は、北側にある「オホーツク海高気圧」と南側の「太平洋高気圧」が、日本の近くでぶつかり、停滞することで生じる。太平洋高気圧の勢力が次第に強まり、前線が北上することで梅雨が明ける。気象庁の桜井美菜子・天気相談所長によると、今回は暖かく湿った空気が前線に向かって流れ込む梅雨末期の典型的な雨の降り方だが、前線が同じ場所に長時間居座ったことが異例だったという。高知県馬路(うまじ)村では3日間で、年平均の4分の1にあたる1091・5ミリの降水量を記録した。

 気象庁は6月29日に関東甲信地方で梅雨明けしたと発表したが、台風7号が日本海を通過したタイミングで、太平洋高気圧は南東に移動。このため梅雨前線が再び南下し、台風7号が運んできた暖かく湿った空気が雨雲の供給源となり活発化。広範囲に雨を降らせた。関東甲信地方でも6日は雨が降り、気象庁は「戻り梅雨」だと説明する。

 さらに、上空を流れる偏西風の影響などで、太平洋高気圧が北上できないまま、オホーツク高気圧との拮抗(きっこう)が続いたことで、停滞が長期間続いたとみられる。

 昨年7月の九州北部豪雨では、局所にとどまり強い雨をもたらす「線状降水帯」が突然現れ、数時間で記録的な雨を降らせたが、今回は広範囲で大雨が長時間にわたって続いた。

 名古屋大の坪木和久教授(気象学)によると、太平洋高気圧の位置は今回、九州北部豪雨に比べて東寄りだったことが、その理由だという。坪木さんは「太平洋高気圧が南東に移動したことで、東日本~西日本にかけて広範囲に暖かく湿った空気が大量に入り込みやすくなった」と話す。