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 ノーベル平和賞を受賞した中国の著名人権活動家、劉暁波(リウシアオポー)氏の死去から1年を迎える13日、香港やドイツ、米国など世界各地で追悼行事が開かれる。中国本土でも、民主化運動に人生を捧げた劉氏の思いを伝えようと、支持者が厳しい監視をかいくぐって行事の開催をめざしている。

 「劉暁波氏が残してくれた道を我々はひるまずに歩み続ける」。昨年7月、初七日に合わせて広東省で開かれた追悼行事に参加した同省在住の民主活動家、余其元さん(47)は一周忌を前に決意を新たにしている。

 劉暁波氏の死去直後、余さんはSNSで民主化運動の仲間と連絡を取り合い、追悼行事の開催に成功。劉氏の遺影を囲む写真をネット上で公開した。余さんら十数人の参加者は公共の秩序を乱した容疑などでその後相次いで拘束され、余さんも今年5月から約1カ月間拘束。広州の地下鉄を利用した際、顔認証システムで身元が発覚したためで、海外組織から資金支援などを受けていないかを集中的に調べられた。

 余さんは劉暁波氏と直接の面識はないが、劉暁波氏の思いを後世に伝えていきたいと考えている。中国では厳しい報道規制に加え、生活水準の向上に伴って人々の現状肯定感が強まり、劉暁波氏を知らない若者が増えているからだ。

 昨年より厳しい警察の監視が予想されるが、余さんは今年も中国本土で追悼行事を開きたいという。余さんは「中国の民主化の道のりは遠く険しいが、独裁政権は長くは続かない。劉暁波氏の精神は永遠に継承されるだろう」と力を込める。

 一方、香港メディアによると、ドイツに出国した妻の劉霞(リウシア)氏(57)の友人である廖天琪・独立中国語ペンクラブ会長が12日、劉霞氏と会った後に記者会見し、劉霞氏がベルリンで13日に開かれる一周忌には出席しないことを明らかにした。劉霞氏は「出席すると好ましくないことが起きてしまう」と話したという。(広州=益満雄一郎)