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中西哲生の目

 日本戦で3―4―2―1のシステムを採ったベルギーが、このブラジル戦で4―3―3を採用したのは、びっくりした。

 しかも、左FWのE・アザールと右FWのルカクは守備に入った時でも前に残っていた。つまり、実質的な守りは中央FWのデブルイネが一番前に来る「4―3―1」。それでも、2人が左端と右端の前線に残ることで、ブラジルに、1人が余る3人を常に守備で残らせることになった。

 さらに攻めの時は、日本戦と同様に3バックに変形。右利きのE・アザールが左、左利きのルカクが右にいることで、互いが内側を見る姿勢になりやすく、外側から効果的なカウンターが仕掛けられた。

 そして後半、ブラジルに1点を返されると、2度の選手交代をして5バックに。5―3―2として、ブラジルの攻めをしのぎきった。

 相手や状況によって、いくつかのプランを使い分ける。まさに世界のトップレベルのサッカーをやってきたのだ。ブラジル相手の大一番で、まだ見せていなかったプランを出したマルティネス監督の決断も、それを完璧に遂行した選手たちもすばらしかった。

 複数のシステムを使いこなしての勝負は、スピードやパワーなどのハード面が世界のトップに比べて備わっていない日本には、参考になりやすい。この日は日本戦より2枚も、3枚も上手のベルギーがいた。(スポーツジャーナリスト)