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 西日本一帯の記録的な大雨は、福岡県内では7日朝方から小康状態になったが、被害は相次いだ。

 6日夕に筑紫野市の山中で土砂崩れに巻き込まれ、行方不明になっていた女性は近くの水路で死亡しているのが見つかった。県によると、女性は宇美町の山崎ツギ枝さん(68)だった。北九州市でも1人が骨折の重傷をおった。

 県内では、土砂災害などのおそれが非常に高くなって特別警報が出され、ピークの7日朝には、避難指示が約38万世帯88万人、避難勧告は約81万世帯232万人が対象になった。約1万6千人が避難した。

 県によると7日午後6時現在で、がけ崩れなどの土砂災害は、北九州市207カ所、福岡市64カ所、太宰府市23カ所など、計440カ所で確認。家屋の被害は、久留米市で1122棟が浸水するなど、2079棟にのぼっている。

 筑後地方では、筑後川の支流が氾濫(はんらん)し、各地で田畑や住宅が浸水する被害が出た。

 陣屋川沿いの久留米市北野町。山本稔さん(78)は、毎年梅雨時になると、くるぶしくらいまでつかる被害はあると言うが、「40年ほど暮らしていて、ひざ下まで水がきたのは初めて」と話した。

 6日夜、市の広報車に避難を促された。その時点で浸水被害はなかったが、妻の足が不自由なこともあり、生涯学習センターに避難した。7日朝になって自宅の様子を見に行くと、ひざ下までぬれて玄関は水浸しだった。「(7日)夕方も見に行ったけど、まだ、ふくらはぎくらいまでつかっている。今夜も避難所に泊まらないといけない」と疲れた表情を浮かべた。

 大刀洗町の会社員男性(34)は7日午前、車で久留米市内の勤務先に向かった。いつも通る国道322号が途中で通行止めになり、迂回(うかい)して同市北野町に入るとその先が冠水していたため、再び回り道し、ようやく中心部へ。そこでさらに渋滞に巻き込まれた。「いつもは30分で着くのに、2時間かかった」とうんざり顔で話した。

 国道210号は大型商業施設のゆめタウン久留米などがある同市新合川町1丁目付近が冠水し、6日夜から通行止めとなった。7日午前中も水は引かず、道路沿いでは閉店する店舗も目立った。一面の泥水の中、ひざまでつかって行き来する人の姿が時折見られた。

 ゆめタウンの女性従業員は6日夜、冠水のためマイカーで帰宅できず、近くの同僚宅で一夜を明かした。「大雨で身動きできなくなったのは初めて。災害は怖いと改めて思いました」。

 筑豊地方の川崎町川崎では、約4メートル幅の町道が約50メートルにわたって数十メートル下に崩落、土砂とともに自動車修理工場に押し寄せた。

 町によると、町道下ののり面に大量の雨水が含まれたことから、地すべりを起こしたとみられるという。

 自動車修理工場の隣の住宅に住む山崎志のぶさん(60)は6日午後11時ごろに寝室でテレビを見ていたところ、「ゴーゴー」という音が聞こえたという。3度目の家の周りの確認作業で異変に気付き避難した。「寝ているときにうちに土砂が来ていたらと思うと、ぞっとする」と話した。

 京築地方を貫く東九州自動車道の椎田南―豊前間の豊前市中村では、のり面が土砂崩れを起こして道路をふさいだ。ネクスコ西日本によると、通行止めの最中の6日午後5時40分ごろに点検で分かったという。

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