【動画】土砂につぶされた民家の捜索活動 兵庫・宍粟市=井手尾雅彦撮影
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 深い緑がざっくりえぐり取られた斜面。その土塊が民家を襲った現場で自衛隊員らの作業が続いていた。8日、兵庫県宍粟(しそう)市の土砂災害現場を京都大防災研究所の松四(まつし)雄騎准教授(地盤災害)とともに本社ヘリから取材した。

 現場は、市の中心部から離れた山中で住宅が点在している場所。土砂に押し流され、青いトタン屋根や倒れた立ち木が散乱していた。斜面の上部は、深く山肌がえぐられている。松四さんによると、表層土だけでなく深い岩盤まで崩れた「深層崩壊」の可能性がある。幅50メートル、長さ100メートル、深さは10メートル程度はありそうだった。

 近くには、さらに深くまで崩壊している斜面もあった。こちらは幅100メートル、長さ300メートル、深さも15メートル以上はありそうで、深層崩壊とみられるという。

 この付近は花崗(かこう)閃緑(せんりょく)岩と呼ばれる岩石が、深くまで風化してもろくなった地質。大雨で水が浸透して崩壊したとみられる。ほかにもいくつか崩壊が発生していた。深層崩壊は雨が大量に降って地中にしみこんで起こる。一連の雨で総降水量が400~500ミリに達すると起こりやすくなり、雨のピークが過ぎてから崩壊することも多いという。崩れた斜面や谷底にたまった土砂が次の大雨で流れて、二次的な土石流を起こすこともある。

 また、山の中の斜面崩壊で土砂ダムができて沢がせき止められていることに気づかず、後になって決壊して土石流が起こることもあるため、今後も警戒が必要だと松四さんは話す。

 今回の広域的な災害について、松四さんは「これまで局地的な大雨への対策が考えられてきたが、洪水と土砂災害が広い範囲で複合的に同時発生することは想定していなかった。今後の検討課題だ」と話した。(編集委員・瀬川茂子)

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