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 大会第2日の8日、10球場で1回戦23試合が行われた。3試合で延長があり、うち1試合は今年から導入されたタイブレークが初めて適用され、浜松城北工が勝利した。静岡商の古屋悠翔君(3年)は無安打無失点を達成した。

6年のきずな「ありがとう」 富士宮北 三枝奎介主将・渡辺響介投手

 富士宮北の主将で遊撃手の三枝奎介君(3年)とエースの渡辺響介君(同)はともに富士市立鷹岡中出身だ。2人は中学の時も主将とエースだった。「絶対に楽しんで勝とう」。最後の大会を前に、何度も2人で約束した。

 1勝までもう一踏ん張り。六回に2点を加え、3点リードで迎えた七回表。「ここでしっかり守ろう」と守備についた。だが、ここまで磐田南打線を無得点に抑えていた渡辺君が四球をきっかけに崩れる。磐田南の小技を多用した揺さぶりに、渡辺君は「平常心を保てなかった」。

 「今まで響介のおかげで勝ってきた。今度は野手が助ける」。その回、同点にされ、なお2死一、三塁。三遊間深くに飛んだ打球に三枝君は食らいついた。球はグラブの中に収まり、スタンドから大きな歓声。しかし焦りで一塁への送球がそれ、逆転の走者を生還させてしまった。

 その裏、三枝君が打席に立った。「必ず出塁する」と放った打球は二塁へのゴロ。手を限界まで伸ばし、一塁に飛び込んだ。間に合え――。判定はアウト。八回表も猛攻にあい、渡辺君はマウンドを降りた。

 2度目の主将とエース。2人の間には自然と役割分担ができた。三枝君は、あいさつや返事、ゴミ拾いなど、野球部員として、人としてどうあるべきかを行動で見せてきた。一方で「人に厳しく指摘するのは苦手」。それを補うのが渡辺君。プレーや技術面での指摘をする役割を担った。

 試合後、三枝君は渡辺君に伝えた。「6年間ありがとう」

 「ありがとう。でもごめん、俺のせいで……」

 「俺こそ、ミスしてごめん」

 勝つという約束は果たせず、2人の6年が終わった。三枝君は振り絞るように言った。「これで終わりなんだなあ。1回でも勝ちたかったです」=草薙(堀之内健史)

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