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(9日、大相撲名古屋場所)

 幕内の下位では地力が違う。「動きが見えていますから」。2場所ぶりに幕内に戻ってきた阿武咲の表情には余裕さえ漂う。

 176センチの小兵を生かした低い立ち合いから左のおっつけ、右の突きで荒鷲をのけ反らせる。のどわで距離を取ってからの引き落としで勝負を決め、「瞬時の判断がいい」と納得顔だ。

 青森県中泊町出身の22歳。怖いもの知らずの突き押し相撲で旋風を起こしたのは1年前だった。新入幕の夏場所で10勝を挙げて敢闘賞。名古屋、秋も連続2桁勝利で小結へ駆け上がり、九州でも勝ち越した。

 だが、初場所、逸ノ城に投げられた際に右ひざの靱帯(じんたい)を痛めて途中休場。翌場所も全休して十両に転落した。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)は「巨漢、強豪を相手に安易に差そうとしてはいけない。おっつけを磨くことが大事だと、認識を改めるいい機会になった」。今後どんな相撲を取るべきか、師弟の間で再確認した。

 自身と入れ替わるように幕内上位で暴れた2歳上の阿炎の存在も刺激になった。ともに2013年に入門し、相撲教習所時代から意識しあってきた。先場所、阿炎が白鵬を破った時は、「本当に悔しかった。そして、うらやましかった」。最高の発奮材料にして、十両で優勝した。

 再入幕での連勝発進にも「地に足が着いてきた。ここからも思い切っていくだけですよ」と淡々と語る。すぐに番付を戻していきそうだ。(岩佐友)

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