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 豪雨による土砂崩れに巻きこまれ亡くなった福岡県宇美町の山崎ツギ枝さん(68)は、捨て犬を保護するボランティアに力を注いでいた。「どうかして助けたい」。知人にあてた最期のメールには、同県筑紫野市の山中で飼っていた3匹の犬への思いがにじんでいた。

 山崎さんは、福岡市を拠点とする情報誌「ガリヤ」代表の長沢由起子さん(67)が主宰するボランティア団体「アニマルファミリー」のメンバー。十数年前、多数の捨て犬が保護されていた犬小屋(シェルター)の運営を長沢さんが引き継いだ。情報誌での協力の呼びかけに応じた山崎さんが台風や雪の日もほぼ毎日、車で犬小屋に通った。

 長沢さんによると、6日午後2時半ごろ、山崎さんから「イヌ小屋が土砂崩れに巻き込まれた。どうすればいいか」とメールが届いた。長沢さんが消防に救助要請した後も、電話やメールで数回やり取りした。

 「どうかしてイヌ助けたい これませんかひももって」

 午後3時31分に届いたこのメールを最後に、連絡が取れなくなった。

 筑紫野太宰府消防本部によると、救助要請を受けた消防隊が犬小屋付近に向かった。消防隊が午後3時40分ごろに山崎さんを見つけ、一緒に下山を始めたとみられる。その後、山崎さんと消防隊員1人が土砂崩れに巻き込まれた。隊員は難を逃れたが、山崎さんは翌日、現場から数百メートル離れた水路で見つかった。

 長沢さんは9日、犬を助けられれば、と現場近くに足を運んだ。周囲は流木が積み重なり、泥が厚く積もった状態。代わりに見に行った消防隊員に「小屋はほぼ泥に埋まっていた」と告げられた。

 エサやりなどを終わって小屋を後にするときに「ありがとう」と呼びかけていたという山崎さん。「犬への愛情が深く、最後まで助けようとしていた。今は犬と一緒にいるでしょう」(徳山徹、菅原普)