秘境駅、非日常のロマン 聞こえるのは風と虫の音だけ

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編集委員・小泉信一
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 人里離れた場所にあり、鉄道という手段以外ではたどり着くことが困難な「秘境駅」。車の普及や過疎化で寂れてしまったが、地域の歴史や文化を物語る存在である。そこにしかない静謐(せいひつ)な時間。「秘境」が発散する魅力に迫る。

 豊橋駅(愛知県)と辰野駅(長野県)を結ぶJR飯田線。全長195・7キロ、94の駅を約6時間半で走る同線は、険しい山岳地帯を通ることから「秘境駅巡りの聖地」と呼ばれている。人気があるのが小和田(こわだ)駅(静岡県、開業1936年)。トンネルを抜け、次のトンネルまでの短い区間にホームがある。ダム建設に伴い、集落のほとんどが水没してしまった。

 皇太子妃雅子さまの旧姓と同じ字。「恋が成就する駅」として観光客でにぎわったときもある。だが平日、降りる人はほとんどいない。聞こえてくるのは風の音や虫の鳴き声だけだ。

 非日常を味わうなら北海道も…

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