【動画】W杯を支える出稼ぎ労働者たち=高野遼撮影
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 終盤を迎えつつあるサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会。華麗なプレーや各国からのファンが注目を浴びるなか、陰で大会を支える人たちがいる。旧ソ連圏からやってくる出稼ぎ労働者たちだ。その姿を追った。

 決勝戦の会場にもなるモスクワのルジニキ競技場。6月のある日、歓声が漏れ聞こえる会場のすぐ外で、若者たちが地面に座り込んでいた。

 「ドイツが負けそうだぞ」「本当に?」

 1人が持つスマホの画面を数人がのぞきこむ。オレンジ色の作業着と帽子姿。国営の清掃会社で働くキルギス人の出稼ぎ労働者たちだ。

 W杯期間中、各会場では競技場周辺の清掃作業の多くを出稼ぎ労働者たちが担っている。キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンといった旧ソ連圏出身の人が多い。

 スマホでサッカーに夢中になっていたのは、エルメクウル・ビーボロットさん(25)。「サッカーが大好き。興奮するよ。僕らはフェンスより先には入れないけどね」。普段は近くの駅で掃除をするが、W杯の試合がある日だけ会場周辺の清掃を任される。「特別ボーナスがつく約束なんだ」と笑う。キルギスの大学で教育を学び、ロシアに出稼ぎに来て1年。「将来は地元で先生になりたい。まずはお金を稼がないと」という。

 20~30代の男性が目立つ。通常、仕事は平日の朝7時から午後5時まで。月給は2万6千ルーブル(約4万5千円)ほどだが、W杯会場の清掃では給与が5割増しほどになるという。

 カリモク・アドルベックさん(24)もキルギス出身。清掃で得た月給のうち、2万ルーブル(約3万5千円)は両親に送るが、「他にもバイトをしているから大丈夫。でも地元を離れるのは少し寂しいかな」。建設業や廃棄物処理の仕事を渡り歩き、飛行機の割引チケットがある時期を狙って、年に1~2カ月は家族の元へ帰省している。

 やがて試合が終わり、8万人近い観客たちが一斉に外に出てくる。労働者たちは立ち上がり、ほうきを手に持ち場へと散る。接戦の興奮が冷めやらない観客たち。すぐ脇で働く労働者たちの姿を気に留める人はほとんどいなかった。

■8畳の部屋に2段ベッ…

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