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 滋賀大会は3日目の10日、皇子山と県立彦根の両球場で1回戦4試合があった。彦根総合と米原がコールドで、守山は九回サヨナラで勝利した。昨夏8強の堅田は初戦で八幡工に敗れた。11日も1回戦4試合がある。

1年生力投にナイス 日野・土田投手

 1点リードされた日野は六回、先発した小西秀明(3年)が遊撃の守備に退き、土田凌士(1年)がマウンドに立った。

 小西と同じ中学の出身。当時から一緒にプレーし、投球や打撃フォームのアドバイスを受けてきた。「先輩(小西)につなごう」。気負いはなかった。

 逆転して勢いに乗る守山。身長158センチの体を大きく使い、カーブと直球でかわした。六、七回を無失点で抑え、八回の1死満塁も二飛と封殺で切り抜けた。ベンチに戻る時、身長183センチの村松拳(3年)にねぎらわれた。

 「勝ったらジュースを買ってあげるから絶対抑えろよ」。同点で迎えた九回のマウンドに向かう前、村松に笑顔で声を掛けられた。3球で二ゴロ、右飛に仕留めたが、9番打者に中前安打。二盗、三盗を許した。

 「三塁走者を絶対かえさない気持ちで抑えよう」。マウンドに駆け寄った捕手で主将の金井友哉(3年)に励まされた。でも相手の応援の声が大きく、勢いにおされて不安になった。

 四球を与え、2番打者に甘く入った直球を左前に打たれた。サヨナラ負け。マウンドで空を見上げた。

 「3年生の夏を終わらせてしまった。申し訳ない」。でもベンチに戻る途中「ナイスピッチング」と声を掛けられ、また笑顔に戻った。「つっちー」の愛称で呼んでくれ、部活以外の時間でもゲームの話などをする先輩たちだった。

 「先輩たちには仲良くしてもらったし、たくさん励ましてくれた。この悔しさを晴らすためにも、次の夏はまず1勝したい」。思いを背負った58球だった。(石川友恵)

「苦しい時間 乗り越えた」 長浜北星・鈴木監督

 「終盤に2点を返した。結果は出なかったが、苦しい時間をみんなで乗り越えられたと思う。この先の人生が勝負だから頑張れ」

 初戦で敗れた長浜北星の鈴木克昌監督は、ロッカールームで悔し涙を浮かべる選手にこう語りかけた。

 選手は球場の外で整列した。「3年間、このメンバーでできて良かった」。中島叶人(かなと)主将(3年)が涙ながらに話すと、今度は中島主将の父親で保護者会長の靖博さん(52)が、後輩に向けてエールを送った。

 「3年生が畑を耕しまいてくれた種に、今後は2年生が汗と涙という水と、努力という肥料で実をならしてほしい」(比嘉展玖(ひらく))

ハッピーバースデー 応援で合唱

 「ハッピーバースデー トゥユー ハッピーバースデー トゥユー」

 10日の皇子山球場第1試合の三回裏、彦根総合応援席の一塁側スタンドから合唱が聞こえてきた。打席には、主将でエースの久保園龍斗くん。この日が誕生日だという。

 昨夏の記憶がよみがえった。私たちのチームの初戦も、主将の松井(拓真)くんの誕生日だった。グラウンド整備のときに、応援団も一緒になって、「ハッピーバースデー」を歌って祝った。

 実はだれかの誕生日を試合中に祝うと負ける、というジンクスがあったが、「絶対勝つから、気にしなくていい」と松井くんに言われていた。そして、ジンクスは消えた。

 周りに厳しく、それ以上に自分に厳しかった。勝つため、チームのためなら嫌われるようなことでも言った。そんな姿をしっかり見ていたから、仲間たちは最後までついていったのだと思う。

 主将でエースナンバーを背負う同じ立場の2人。一見花形のようだが、相当な重圧を背負いながらここまできたに違いない。彼らが輝くのは、惜しまない努力と、信頼している仲間がいるから。試合後、久保園くんは「チーム一丸となって戦うことがやっぱり一番」と話した。

 そしてもうひとり、彦根総合で輝いて見えた部員がいた。記録員としてベンチに入ったマネジャーの村林純弥くんは生まれつき足が悪く、支える側としてチームに携わることを決めた。選手らとの関係はいつもうまくいっていたわけではなく、ケンカをすることもあった。やめようと思ったこともあった。いろんな思いを抱えながら2年半、一緒に歩んできたという。「言葉ではなくても、勝ってくれれば」と村林くんははにかんだ笑顔を見せた。(元彦根東高校野球部マネジャー・植木栞梨)

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